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五井野正博士の世界

『雨中の大橋』の中の日本文字の解読L

14本のひまわりは結婚の花

油絵具で描かれた「14本の向日葵」と「マルメロとレモンの静物画」の浮世絵

 黄緑を背景とした十四本の新しい花束の絵がある。これは既に君の手元にあるマルメロの実(Coings)とレモン(Citrons)のある静物画とまったく同じような効果をねらったものだが」(書簡528 アルル1888年8月下旬)
 ここで、ゴッホは14本の向日葵の絵(図1)と、以前に描いたマルメロ(Coings)とレモン(Citrons)の静物画の2点が、同じ効果を狙った作品だと述べている。
 ゴッホが言う、そのマルメロとレモンの静物画とは、一体どんな絵なのか、ゴッホの生涯の作品集2200(贋作も含む)からピックアップしてみると、レモンと他の果物が描かれている絵は図2、図3、図4、図5、図6、図7、の5点だが、その中でマルメロらしき果物が一緒に描かれている絵は図7しかない。
 つまり、アルル時代の1888年5月頃に描かれたと言われている静物画である。
 ところが、ある本では、パリ時代の1887年に描かれた「テオに捧ぐ」と署名された静物画(図5)になっている。
 しかし、次ページの図5をよく見てほしい。
 その絵に描かれているのはレモン(Citrons)と洋ナシ(Poires)とぶどう(Raisins)とリンゴ(Pommer)とオレンジ(Orange)であって、マルメロ(Coings)はまったく描かれていないのだ。
 ゴッホの書簡では、洋ナシ(Poires)とマルメロ(Coings)をまったく別な果物として分けて表現している為に、洋ナシをマルメロと同じに見ることは出来ない。

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 図7は、籠の中に13個と外に2個のマルメロもしくはレモンらしき果物が描かれている。
その他にオレンジが2個と小さな果物が3個描かれているが、メインは誰が見てもマルメロもしくはレモンの果物であることが明らかでしょう。
それに絵全体のタッチを考えると、図7の絵は、他の絵、図2、図3、図4、図5、図6、と違って、14本のヒマワリと同じように全体が水彩のような浮世絵タッチに描かれていることが判るはずだ。
特に図5の絵は、描かれている果物の輪郭がチリメン状の背景の中に沈んでいて、浮世絵タッチの14本の向日葵とは明らかに技法が違っている。
ゆえに、ゴッホの記述に該当する静物画は、図7しか考えられないのですが、背景の色についてゴッホは書簡527で、
「今はもう4つめの向日葵に取り組んでいる。この4つ目は黄色の背景に中に14本の花束があるもの。以前描いていたマルメロの実とレモンの静物画のようだ」(書簡527アルル 1888年8月26日頃)
と記述していながら、次の書簡528では、
「黄緑を背景とした十四本の新しい花束の絵がある。これは既に君の手元にあるマルメロの実とレモンのある静物画とまったく同じような効果をねらったものだが」
と記述して、14本の向日葵の絵の背景の色を、黄色から黄緑に変えているのに、どちらもマルメロの実とレモンの静物画のようだと、記述していることから、どうやら背景の色の問題ではないようだ。
すると、描かれている果物と向日葵の描写の表現方法となるが、それにしてもモチーフが果物と花束とでは、随分と違いすぎる。
そこで7の図を良く観察すると、マルメロやレモンの輪郭を赤や青の線で描かれていることに気づく。
これは14本の向日葵の花瓶や花びらの描写が同じく赤や青の線で縁取られていることとも一致する。
また、色彩も両方の絵とも平面的であり、色調も果物や向日葵の色が、それぞれ黄色やオレンジという色彩で統一されている点でも一致する。
この点についてゴッホは友人のベルナールに、
「日本人は抽象化による再現方法を用いている。平面的な色彩を並列化して、動きや形を独特な線で描写する」(ゴッホの手紙・ベルナール宛 B6 アルル1888年6月下旬)
と述べている。
ここでゴッホは、日本人が絵を描く時に抽象化を試みると記述をしているが、要は浮世絵の平面的な色彩や線についての描写方法を述べているのだ。
すると、この手紙の2ヵ月後に描かれた14本の向日葵の絵は、平面的な色彩が並列していて、しかも赤や青の独特の線で形や境界を引いている画となっている為に、この記述からも、浮世絵的再現方法を試みた絵画だと知ることが出来る。


向日葵の15輪と果物の15個

 この点等を考えると、14本の向日葵と図7は表現方法が、どちらも浮世絵的描写で、同じ効果を狙った絵画だとも言えるが、さらに図7の籠の中に13個のマルメロもしくはレモンの果物が入っている点に注目する。
 13個といえばゴッホの代用数字の13を思い出すが、さらに同じ果物が2個籠の外に何故か置かれている。
 ゴッホは意図的にそうしたのであろうか?
 そこで、14本の向日葵の方も良く見ると、その内の1つが1輪の様で2輪の向日葵の花が描かれていることに気付く。(図8の○の中)
 すなわち、その向日葵の花を一輪ではなく二輪として数えると14輪の向日葵ではなく15輪の向日葵になってしまうのである。
 いわゆるゴッホの研究者が指摘しているところの15輪の向日葵になっているのだ!
 つまり、ゴッホの代用数字である13の13輪に、さらに2輪が重なった計15輪の向日葵の花と、籠の中の13個と外の2個の15個の果物とが、花束と果物とではモチーフがまったく違っても、個数の表現の仕方ではまったく同じような共通点を見いだせるのだ。

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 すると、ゴッホは15の向日葵の花の数や果物の数にして、何か特別な効果を狙って描いたということなのであろうか?
実はこの2枚の絵だけの問題ではなく、『雨中の大橋』が描かれた時を境にして静物画の果物の個数が、5個や10個という数から、突然に14個にまったく意図的に変化していることに、今までゴッホの研究者が誰一人として気づいてこなかったという事実を披露したい。
それによって、図7の静物画のメインの果物の個数が向日葵の花の数と同じく15個になっていることが、単なる偶然ではなくて、初めから意図的であったことを、論理的に説明出来るのである。
そこで、ゴッホの今までの全ての静物画を調べてみることにする。
先ず1885年のニューネン時代に、ゴッホは野菜や果物の静物画を数多く描いているが、そのほとんどが、籠や器から野菜や果物があふれだしている絵になっている。(図9、図10、図11)
つまり個数が数えられる様な絵画はほとんどない。
ゴッホはここでのモチーフを農家での収穫の豊かさを意図して強調しているのかもしれないが、背景が暗い為に、意に反して農民の生活の豊かさは感じ取れない。
それがパリ時代になると、一転して背景が明るい静物画が描かれる。
パリ時代の静物画を全て検討すると、まず図3や図12の様に白い皿の上に盛られたレモンの数が5個の静物画が2枚見られる。
ニューネン時代の静物画と比べて、数は少ないが豊かさを感じさせる。
又、起立工商会と書かれた木ブタの裏側に描かれた球根の数も5個になっている。(図13)
さらに籠の中のリンゴの絵は10個の数字になっている。(図14)
向日葵も描かれているが花輪は2個か4個(前号参照)である。
無造作な数のジャガイモ類や果物を描いたニューネン時代と違い、パリ時代では、果物や花の数が少ない分だけ、かえって描かれた個数は、画家の意図する印象的表現を反映したものと言える。


14個の様々な果物の謎

 するとパリ時代に描かれた5個とか10個という果物の数字は、一般的な単位を表す数字と見る事が出来、ゴッホは数に何か特別な意味を持たしていなかったと考えられる。
 ところが1887年の後半を境にして、ゴッホはイモ類や果物の絵を描く時に、その個数を突然に14個という特定な数字に変えてしまったのだ。

 例えば、図15は洋ナシの絵であるが、数は14個である。
 図16はリンゴの絵であるがこれも14個である。
 そして器に入った芋の絵図17も14個である。
 14個の他は3個と6個の絵が1〜2点あるが、これは3本、6本の向日葵の数と共通性がある。
 つまりゴッホは、3個や6個と共に14個の数の果物や芋の静物画を描いた後に3本や6本の向日葵、そして13本の向日葵と14本の向日葵を描くのである。
 とすれば、14という数字はゴッホにとって意図的な数字となり、その数自体が既に重要なモチーフとなっていると言える。
 さらに、この14という数字は実は静物画だけでなく、ゴッホがアルルに来て最初の連作である『花咲く果樹園』も同じく14枚の連作となっていたのである。


              
五井野 正 (ごいの ただし) 科学者・芸術家
ウィッピー総合研究所 所長 / ロシア国立芸術アカデミー名誉正会員
スペイン王立薬学アカデミー会員 / アルメニア国立科学アカデミー会員
フランス芸術文化勲章受章
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