映画「アイ・ラヴ・ユー」

秋田県聴力障害者協会副会長
秋田市ろうあ協会会長

高橋洋一
 県聴力障害者協会と県映画センターが中心となり、耳の聞こえない人と聞こえる人とが共同制作した映画「アイ・ラヴ・ユー」の上映が4月26日から県内各地で公開されます。自らも聴覚障害者である高橋洋一さんは、実行委員会事務局長として、一人でも多くの方々にこのすばらしい映画をみて頂きたいと宣伝活動のため、会社訪問等をしながら頑張っていらっしゃいます。高橋さんにいろいろお話を伺ってみました。

事務所 〒010‐0922
秋田市旭北栄町1番5番 FAX 018‐864‐2782

連絡先(有)秋田県映画センター
〒010-0951 秋田市山王2丁目6-29(山王不動産ビル1F)
TEL018-862-9978

◯この映画の特長を聞かせて下さい。
☆今までの映画は健聴者がろうあ者役になって描いた作品が圧倒的だったのですが、「アイ・ラヴ・ユー」は監督をはじめ、俳優の皆さんも健聴者とろうあ者の方々で構成されているんです。

◯試写会が行なわれたとの事ですが。
☆ハイ、皆さんのおかげで大成功を修めました。これからが本番です。上映期間中は超満員の入場者で成功させたいと思っています。

◯試写会の反応はいかがでしたか。
☆アンケートにもありますが、予想以上にすばらしかったようです。『障害者はかわいそう。』『ろうあ者はかわいそう』という気持ちは認識不足だったとか、手話のすばらしさ等を感じて下さった方々が非常に多かったようです。

◯一般には障害者は『かわいそう』という感覚はありますね。
☆ありますね。でも社会には身体障害者や目の見えない人などいろんな人がいますよね。『かわいそう』と思うのではなく、いろんな人達がいる中で障害者も社会の一員として認めてほしいというのが私達の希望です。

◯高橋さんがろうあ者になった原因をお聞かせ下さい。
☆2才の時、はしかが原因で耳が聞こえなくなってしまいました。ですから2才までの言葉は覚えています。今頃聞こえていたら総理大臣になっていたかも(笑い)。希望は大きく、です(笑い)。


映画「アイ・ラヴ・ユー」の出演者
(左が忍足さん)

手話で講演中の高橋さん(中央)
◯ろうあ者ゆえの苦しみもあると思いますが。
☆ありますね。「聞こえない方が悪いんだ。」という言い方を長い間されてきました。障害者には決してなりたいと思ってなったわけではないのに…。くやしいですが我慢するしかなかったです。

◯いじめなどもあったとの事ですが。
☆ありましたね。例えば『すぐ』『しずかに』という言葉がありますね。それを秋田弁で『しぐ』『しじかに』と書いてよこすんです。私にとっては見たこともない言葉なのでわからないんですね。それで食い違ってしまったことや、呼び出されるのに棒や釘を投げられたり怖い思いをしたこともありました。

◯この映画の主人公もろうあ者ですね。
☆そうです。主人公の忍足亜希子はろう学校で口話教育を受けたそうですが、社会に出てから手話を勉強したそうです。とてもきれいな手話だと評判です。

◯口話教育についてお話し下さい。
☆ろう学校では、相手の唇の動きで言葉を読み、声を出す教育なんですが、相手の口の形を見続けているのは非常に疲れます。何万語の口形は理解できるものではありません。

◯手話はろうあ者の大切な言葉だと思いますが。
☆とても大切なものです。手話は英語やフランス語と同じで独立したひとつのすばらしい言葉だと思います。


手話で講演中の高橋さん(右側)
◯手話のできる人は多いと思いますが。
☆多いですね。今は昔と違ってろう学校でも手話教育を少しづつとり入れているようですから。ただ手話通訳者となると専門用語なども必要になってきますので少ないですね。手話通訳者がもっと増えてくれればいいんですが…。

◯この映画は家族のあり方を考えさせられるとの事ですが。
☆そうですね。言葉とは何なのか、家族の大切さとは何なのかなど、障害者と健聴者が一緒に歩める社会を訴えているように思います。

◯最後に一言お願いします。
☆この映画を一人でも多くの方々に見て頂き障害者の気持ちや障害者のハンディを理解して下さる人達が増えることを願っています。そして特別扱いするのではなく、障害者も健常者も皆同じ社会の一員だということを理解して下さる社会になってくれればいいなあと思います。4月22日(土)は駅前のアゴラ広場でキャンペーンを予定しています。私達を見かけたら声をかけて下さい。

◯ありがとうございました。

試写会に参加した人達のアイ・ラヴ・ユーアンケート

◯日本人にいま欠けている情熱や何事にもがんばる姿勢がこの映画にはあり、見ている私に勇気をくれました。若い世代にどんどん見せて、がんばる若者たちが育ってほしいと思います。(障害者女性50代)

◯本当に温かい映画で素晴しかったです。私は現在特殊学校に勤めておりますが、微力ながら心のバリアフリーをまわりの子供たち、大人たちに伝え、話していきたいと思います。私も手話を習ってみたくなりました。
(健常者男性30代)

◯言葉ではなかなか言えないことも、手話でなら伝えられるので、これから少しずつ手話を使っていきたいと思います。
『アイ・ラヴ・ユー』という手話は、今わたしの中で一番のお気に入りです♪結婚してもずっと『アイ・ラヴ・ユー』の手話を使いたいです。(健常者女性10代)
あ と が き

「手話」は健常者にとってはなじみのうすい言葉だと思うが、聴障者にとってはとても大切な言葉なのである。今うわさの映画「アイ・ラヴ・ユー」は手話の大切さがよくわかるすばらしい出来ばえになっているという。この映画の成功を願って一生懸命努力している高橋さんたちにできる限りの応援をしたいと思う。頑張って!!


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