第43回美術作家協会展奨励賞受賞 筒井義明さん

筒井義明
自由美術秋田所属
第43回美術作家協会展奨励賞受賞
 人類の創生期、彼らはすでに絵筆を握っていました。人間と絵とは切っても切れない要求がそこに存在します。
 絵の世界に魅せられ、創作をし続ける筒井義明さんは、この度、美術作家奨励賞を受賞され、将来有望作家として注目をあびていらっしゃいます。
 筒井さんに絵を描き続けることのすばらしさや受賞の喜びなどを伺ってみました。

秋田市飯島堀川53-5
TEL.018-846-0034

◯今の心境をお聞かせ下さい。
☆非常にうれしいんですが、『本当にいいんだろうか?』と困惑しています。自由美術の会員の方々からも高い評価を受けていますので、これからも頑張らなければいけないと思っています。

◯自由美術とはどういう団体ですか。
☆東京を中心に運営されてる全国組織の美術団体です。会員の方々は皆さん問題意識を持って生き様を描いているんですね。ですからお互いに批判しあいながら、自分を磨いていく場所だと思います。

◯絵を描き始めたきっかけを聞かせて下さい。
☆気がついたら描いていたというのが本音ですね。母は「静かにしているなと思うと絵を描いていた」と話していますので…。

◯人物と風景ではどちらが得意ですか。
☆主に描いているのは人物画の方ですね。

◯この作品を出品したきっかけをお話し下さい。
☆いつも絵を描く時、賞を頂こうとか、色々計算しながら考えて描いているわけではないんですね。私の場合描きたいテーマを描きたい方法論で描いている、そんな感じです(笑い)。この作品もその中の一点です。

◯タイトルはとてもむずかしいですが。
☆そうですね。むずかしいかも知れません。人間の存在という問題について描いたものです。

◯人間の足を糸でしばっているんですね。
☆そうなんです。この絵は昨年出品したんですが、品川区◯美術館の長谷川栄館長にみそめられたんです。館長の批評の中に「作家は画面で自由と拘束について自問自答している」とあります。


アトリエにて絵を描く筒井さん
◯暗く底知れない心の葛藤を感じますが。
☆確かにそうかも知れません。長谷川館長は自由と拘束は裏表の関係にあり、混沌とした現代社会において、苦悶の果ての現象化が暗い画面の結果となって現われているとも評しています。

◯絵を描くのが好きなのだと思いますが。
☆苦しいことの方が多いですが、基本的に絵を描くことは好きですね。好きであること、それが一番大切なことだと思っています。

◯絵を描き続けていてよかったと思うことを教えて下さい。
☆絵を描くという行為はその時の気持ちの在り方を人物や光景に置き換えて表現できますからね。しかもその時、その時の気持ちで描いていけますからそれがとてもおもしろいんです。その絵を仲間が評価してくれますので…。今年はいいじゃないかといわれたり、知人に『いいね』といわれると本当にうれしいです。

◯つらいと思うこともあると思いますが。
☆描こうと思ったテーマと画面が、描いていくうちにだんだんズレて行ってしまうことがあるんです。そういう時は苦しいし、つらいですね。筆が全然進まなくなります。


欺態1(受賞作品)
◯そういう時はどうするのですか。
☆表現しようとしたテーマから大きくズレていなければそれはそれでよしとして自分の絵と対面していくようにしています。

◯途中まで描いて休むこともあると思いますが。
☆一気にひとつの作品を仕上げるということはないんですね。いつでも描けるという方もいますが、私は気持ちがのらないとなかなか描けないタイプなんです。ですから描ける時少しづつ描いて仕上げは一気に…なんです(笑い)。

◯絵は趣味になるのですか。
☆趣味は通りこしていますね(笑い)。絵本づくりとか製本が趣味になります。

◯絵を描くことにご家族の反対はないのですか。
☆ないですね。妻は何もしないよりは絵を描いている方がうれしいと言ってくれています。

◯作品を描く時、常に心掛けていることは何ですか。
☆自分の内にある問題意識に対して常に素直であろうという思いですね。

◯絵を描くことが苦手な人へのアドバイスをお願いします。
☆人間は生まれて最初に描くのが絵です。ですからどなたでも描きたいと思えば描けるんです。まず対象をしっかり視ることからはじめて下さい。描きたくなったら下手でもいいからはじめる、何度も繰り返し描いていると必ず描けるようになります。

◯最後に一言お願いします。
☆絵は自分の内面を無限に表現できるすばらしいものです。失敗も成功も次へのステップになります。これから絵を勉強しようと思っている方、今続けている方、継続は力なりという言葉があるように、決して挫折しないで続けて下さい。

◯ありがとうございました。

あ と が き

趣味を通り越し、創作作家としての道を歩み続けている筒井さんは、一見おとなしそうに見えるが、とても前向きで芯の強さを感じさせてくれる。
人間がこの世に誕生し、最初に描くのが絵と言われているが、筒井さんは決してみてきれいなもの、美しいものの絵を描いているのではない。自分との心の葛藤を描き続けているのである。これからもいろいろなテーマを考え、創作し続けていかれると思うが、世界的
な創作作家としての実力を身につけ、世界を飛び回ってほしい。頑張って!!


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