(株) 岩田写真取締役社長 岩田次夫さん

(株)岩田写真
取締役社長

岩田次夫
 現代の名工として労働大臣賞を受賞した岩田次夫さんが、父の故・友記さんの残した写真や、自ら撮影した写真の中から明治、大正、昭和初期から戦後の昔なつかしい思い出深い写真を集め、「20世紀の秋田今昔写真展」と題し写真展を開催します。
 写真家として40年間写真一筋に頑張り、今なお現役で写真を撮り続ける傍ら若手の育成にも力を入れている岩田さんに、写真展を開催することになったいきさつなどをいろいろ伺ってみました。

秋田市中通1-3-30TEL.018-834-5015

◯展示会開催の趣旨をお話し下さい。
☆「20世紀の秋田の写真がほしい」と言われることが昨年当たりから非常に多くなりました。岩田には創業者で父の故・友記が撮った明治から大正・昭和の写真や、私が撮った写真などがたくさんあります。そこで世紀の変わり目でもありますので、写真展を開催しようということになったわけです。

◯主にどういう写真を展示するのですか。
☆今回は、秋田美人の川反芸者さんの写真や、設立当時の学校、秋田の街並みなど盛りだくさんで100点位展示します。

◯芸者さんの写真がたくさんありますが。
☆こんなに多く、芸者さんの写真を持っている写真館はないのではないでしょうか(笑い)。当時芸者さん達は自分の写真を名刺変わりにお客様に渡していましたから、今でいう交換写真のはしりとでもいうべきでしょうか(笑い)。

◯当時、写真館は少なかったと思いますが。
☆いや、そうではないです。皆さんそう思われるようですが、その逆です。当時は30軒位ありましたね。以外と多かったですよ。

◯展示作品はどこに注目してみたらいいのですか。
☆写真というのは一枚一枚気を配って撮っています。風景写真一枚にしても写していいものと省いた方がいいものとを区別しながら撮っています。そういうところを重点的にみて頂けたらありがたいです。

◯写真の説明は社長さんがして下さるそうですが。
☆そのつもりです。一人でも二人でも見にきて下さるお客様には喜んで説明させて頂きます。


アトリエにて絵を描く筒井さん
◯写真を撮り続けて楽しいと思うことを聞かせて下さい。
☆写真を撮って40年になりますが、人物や風景など自分で写したものが自己満足できるような作品に仕上がった時が一番楽しいですね。

◯お父様が随分厳しかったと聞きましたが。
☆写真に対してはものすごく厳しい父でしたね。写真の出来が悪いと父にあっさり破り捨てられることもしばしばありましたし、技術を習得するために徹夜することもたびたびでした。

◯一番思い出に残っている写真はどれですか。
☆一緒に展示している写真集は父と二人でクーラーのない時代、真夏の暑い時、暑さと戦いながら大変苦労して作ったものです。この中に掲載されている十和田湖の発荷峠の写真が一番思い出に残っていますね。今では想像つかないような風景だと思います。


欺態1(受賞作品)
◯風景写真の中に人物や車を入れていますが。
☆人物は服装などで時代がわかりますね。車もそうです。ですから時代がわかるように人物などを入れて撮ると時代を判断するのに非常に楽ですね。

◯昔、写真は非常に高価だったと思いますが。
☆そうです、写真はとても贅沢品で高かったですね。フィルムや感光紙そのものも高かったですから。しかも昔は全部白黒写真で、表現も陰影だけですから、むずかしさはありましたね。

◯昨年「現代の名工」で労働大臣賞を頂いていますね。
☆ハイ、とても名誉なことです。これは製造や建設、伝統工芸など卓越した技術を有する人に与えられるすばらしい賞で、写真の賞としては最高のものです。

◯受賞の感想をお聞かせ下さい。
☆東京の農林年金会館で受賞式が行なわれたのですが、当日は興奮していましたし、うれしさを味わうなどとても余裕がなかったですね。帰ってきてからジワジワとうれしさがこみあげてきました(笑い)。

◯昔ながらの写真は今でも写せるのですか。
☆写せます。今でも修整技術は昔のままですから大丈夫です。お客様の中には「修整など必要ない」とおっしゃる方もたまにいますが、修整というものを勘違いされているようです。どんなに肌がきれいな人でも立体である顔に45度の光線を当ててワザとカゲを付けると顔の凸凹の影が目立ちます。この影を消す作業が「修整」なのです。この修整というのは写真に命を吹き込む作業ですからとても大切なものです。


アトリエにて絵を描く筒井さん
◯今でも現役で写真を撮っているそうですが。
☆スタジオ内で、成人式や結婚式の写真を撮っています。ですから私は年中無休です(笑い)。私の人生は写真とともに…です(笑い)。

◯最後に一言お願いします。
☆世紀の変わり目であり、又「現代の名工」としてすばらしい賞を頂きましたので、何か秋田の人達に恩返しをしなければいけない。その為には、20世紀の秋田の写真展を開催し皆さんになつかしんで頂くのが一番いいのではないかと思いました。一人でも多くの方々に見て頂きたいものだと思っています。展示作品の中に『ほしい』と思う写真がありましたら同じものを焼いてお分けしたいと思います。気軽に申し付けて下さい。

◯ありがとうございました。

あ と が き

岩田写真では長い間撮り続けてきた秋田の街並みなどの写真を一部公開する。この写真展は秋田の歴史が今日までどのように変化してきたのかを知る絶好の機会のように思う。しかも社長さん自ら説明して下さるという。こういうチャンスはめったにないこと。普段聞けないようなおもしろいエピソードなども飛び出すかも知れない。老若男女どなたでも楽しめる写真展を皆で盛り上げていきたいものだと思う。


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