奥州浮世絵研究会代表
アルメニア国際自然科学アカデミー名誉博士 渡辺浩好さん

奥州浮世絵研究会 代表
アルメニア国際自然科学アカデミー名誉博士

渡辺浩好
 浮世絵はゴッホやモネ・マネなどに感動を与え印象派の原動力となった世界的な美術品です。
渡辺浩好さんは浮世絵の勉強や収集を長い間続けられコレクターとしても大活躍しており、その功績を認められ、アルメニア国際自然社会科学アカデミーの名誉博士号を受賞していらっしゃいます。
渡辺さんに浮世絵展「伽羅先代萩」を開催することになったいきさつなどについて色々お話を伺ってみました。

福島県いわき市中迎4-1-1
TEL.0246-62-2911 FAX.0246-62-4000

◯浮世絵・切手文化館で浮世絵展を開催していますが。
☆江戸時代に起った仙台藩のお家騒動を題材にした歌舞伎「伽羅先代萩」を描いた浮世絵展を開催しています。

◯今までにない企画展のようですが。
☆自分ではそう思っています。この芝居は江戸時代の中期、大阪で初演されたのが始まりで、今でも人気のある芝居の一つです。浮世絵は同じ場面でも絵師によって、描き方が様々なんですね。それらを始めから終わりまでひとつの物語として並べてみました。それに簡単な説明を付け、絵物語として通しで最後まで見れるように構成してみました。

◯とても楽しそうですが。
☆楽しいと思います。先代萩の脚本に出来るだけ添って組み立てたつもりです。ただ、上演した年とか歌舞伎座など異なった絵をつなげましたので、話が少し継ぎはぎになっています。それに本当は話がもっと複雑で芝居の上での見せ場はたくさんあるんですが、浮世絵展でそれを表現するのがむずかしく平坦になってしまったことが少し残念に思っています。

◯5つの場面構成になっているようですが。
☆役者絵や三枚続の芝居絵だけでなく、見立絵やデザイン浮世絵なども織りまぜていますので、表現の多様さを楽しめると思いますね。それから、邪魔にならない程度に見立絵や模様の説明なども入れています。しかも、化粧や髪型は違っても同じ役者は同じ顔で描かれているんですね。よ〜く見て下さい。非常におもしろいんですよ(笑い)。

◯展示作品には歌川派の浮世絵が多いようですが。
☆そうですね。ご存知ない方も多いと思いますが、歌川派というのは江戸時代の最大派閥でした。しかも三代歌川豊国は大スターだった人ですから、すばらしい作品がたくさん残っているんですね。

◯歌川派は何代まで続いたのですか。
☆四代までで二代国貞が四代目を襲名しそれで終わっていますね。私は浮世絵のコレクターとしていろいろな文献を調べましたが、四代目以降の浮世絵は見ていませんね。


展示作品 「伽羅先代萩」 3枚続 三代 歌川豊国画
◯歌川派門人会についてお話し下さい。
☆米国公益法人である歌川派門人会というのは、五井野正博士が歌川派を復興しようと平成2年8月に創立し、初代会長となられました。五井野博士の絵画と浮世絵の展覧会を世界中で開くだけでなく、全世界の学生達に本物の浮世絵に触れてもらおうと江戸時代の浮世絵一万点を全世界の学校に寄贈している団体です。

◯奥州浮世絵文化研究の代表でもあるそうですが。
☆ええ、私を媒介として東北の浮世絵を収集して下さる方々が増えたんですね。それが研究会を作るきっかけになりましたね。今では各地の美術館や博物館などとの交流が活発に行なわれています。

◯浮世絵の勉強をはじめてから何年になるのですか。
☆12年位になると思います。浮世絵の勉強をはじめたころ、偶然にも前九年の役を題材にした八幡太郎義家と阿部貞任の合戦絵を見つけたんです。

◯見つけた時、血が騒いだそうですが。
☆そうです(笑い)。浮世絵というのは美人画や役者絵、当時の名所絵といった固定概念があり、少し距離を感じていましたので…。でも東北を題材にした浮世絵を見て驚きや喜びを伴って崩れていきましたね。他人事ではない、出来るだけ集めなければ…ですね(笑い)。


名誉博士号の受賞式後列左側が渡辺さん
◯アカデミーの名誉博士号を受賞されたそうですね。
☆ハイ、ありがとうございます。

◯アカデミーについてお話し下さい。
☆日本には国立アカデミーがないので理解しにくいと思いますが、アカデミーというのは世界的レベルの学術的組織としてとらえられているとても意義ある称号です。

◯受賞の感想をお聞かせ下さい。
☆私には身にあまる大変光栄なことと感じています。歌川派門人会で浮世絵を広める活動などをしていますので、それに対しての総合的な評価を頂いての受賞と心からうれしく思っています。

◯浮世絵展はどういう見方をしたらいいのですか。
☆江戸人のようにとにかく浮世絵を見て楽しんで下さい。知識的な事より見て面白いと感じて頂ければうれしいです。

◯浮世絵は当時、パンフレットやプロマイドだったそうですが。
☆そうですね。上演予告のパンフレットとして、又、人気役者のプロマイドとして利用していたようです。当時の人々は芝居を楽しみに浮世絵を買っていたんでしょうね。生活にとても身近だったんだと思います。

◯渡辺さんから見た浮世絵の魅力をお話し下さい。
☆世界的な美術品でありながら、身近な昔が描かれているところがすばらしいと思います。しかも以外と東北に関わる浮世絵が印象派の人達に愛され、描かれているんですね。今回展示している三浦屋高尾は仙台藩の殿様やゴッホを夢中にさせた女性として有名ですからね。

◯最後に一言お願いします。
☆はじめての企画なので、自分が描いていたイメージと実際は随分違います。今後の参考にしたいと思いますので、手紙又はFAXでぜひ感想等をお寄せ頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

◯ありがとうございました。

あ と が き

趣味を通り越し、創作作家としての道を歩み続けている筒井さんは、一見おとなしそうに見えるが、とても前向きで芯の強さを感じさせてくれる。
人間がこの世に誕生し、最初に描くのが絵と言われているが、筒井さんは決してみてきれいなもの、美しいものの絵を描いているのではない。自分との心の葛藤を描き続けているのである。これからもいろいろなテーマを考え、創作し続けていかれると思うが、世界的
な創作作家としての実力を身につけ、世界を飛び回ってほしい。頑張って!!


はーとでトークTOPに戻る

青いポストHOMEに戻る